情報処理技術者試験

以前、出来心で申し込んでしまった情報処理技術者試験(エンベデッド)の試験が先週末にあった。
駅からぞろぞろと95%男性の列に混じって会場に移動して、受験前にテンションdown。試験が始まっても席が半分強しか埋まっていない。みなさんお忙しいのか...
午前は過去問と同じ問題がかなり出た。午後1は、思ったより時間が足りない。さすがに午後1では途中退席する人はいなかった。丁寧に字を書く機会など絶えてなかったので、とにかく、字を書くのが大変。ペン字でも習おうかと真剣に考えてしまう。午後2は、自分の仕事と無関係な仕様書をたくさん読まなければいけなくて、気分がさらに落ち込む。釣糸ですか。どうして分散型なんですか。こんなシステムにCPU二つ乗せるんですか。試験が全部終わっても、なぜか開放感がない不思議な試験だった。

組み込みの仕事は、分野によって必要となる知識が全然違うので、特定分野の仕事しかしていなかったりすると、特に午前は聞いたこともない知識を問われる問題が出て撃沈する。なので、合格しようと思ったら、受験対策が重要である。この問題群に満遍なく回答できる組み込み技術者を、世の中が求めているとはとても思えない。正直、無関係な仕様書はもう見たくない。もう二度と受験したくないので合格希望。

受験対策で使用した本はこれ(これだけ)。

午前対策の部分は、誤植が目に付く。過去二年連続で出題されたA/D変換についての解説がまったくないのが気になった(結局、A/D変換は今年も出題された)。午前対策の内容としては、よかったのかわるかったのか判断に苦しむが、ソフトウェアやネットワークに多少偏っている気がする。
午後1の試験の問題事例は、たぶん、自作自演だ。どうも解説に漏れがある。
二年分の過去問が付いており、こちらは、情報処理推進機構から出た回答に加えて、解説もあって、両方併せて回答に納得がいくので、問題事例のところは飛ばして過去問を解いた方がよい。

将来の市場価格の動きは、新しい情報と市場参加者の期待との「差」の部分によって決まる

ちょっとだけ古めの本です。個人的には、この人の「語り口」は鼻につく(好きなのか嫌いなのかどっちなのか)。

  • わからない商品に投資しなかったからといって損をすることはほとんどない
  • リスクの大きさがわからなかったり、リスクの内容に自信がもてなかったりするのならば、購入金額を減らすことがなんといっても確実なリスク管理の手段
  • A格の銀行とBBB格の銀行では、一年物の債券の利回りに直して約1.5%もの差があると市場は評価している
  • 無リスクでかつ有利という運用対象には必ず理由がある。いずれも有利性を大規模かつ長期には維持できない
    • 信用リスクなど隠れたリスクがある
    • 過去に築いた含み益などの原資がある
    • 制度的に他の勘定や異時点の顧客の資産を流用できる歪みがある
  • どういった為替リスクを取るかは、資産配分(アセット・アロケーション)と同時に決定されるべき
  • 同じくらい有望な銘柄であれば、10銘柄に均等に投資するポートフォリオよりも、100銘柄に均等に投資するポートフォリオの方が期待リターンとリスクの関係は有利
  • 株式投資の場合に、先物ETFで「売り」のポジションをとってそれが意味があるのは以下の場合だが、個人投資家の場合、これに具体的に当てはまるケースは滅多にない
    1. 株価が下がりそうだということをある程度以上の確度をもって予測できるとき
    2. 一時的にリスクを縮小したい事情があるときに、株式を売却するよりも、「ヘッジ」のほうがコストが安い場合
  • ある運用商品の手数料が大きいと感じた場合は、その先の検討は99%は必要ない。実質的な手数料がよくわからない場合には、「見送り」が原則
  • 若い人の場合、現在の狭義の資産運用をどうするかというよりは、文字通り自分自身の可能性に「投資」するほうが、経済的にも収益率が高い。稼ぐ能力を持った自分自身も自分の運用資産の一部
  • リスク資産(株式と外貨建て資産)は年間最悪3割の損
  • ドルコスト平均法は「単なる気休め」。ドルコスト平均法自体が有利なのではなく、株価が下がっている状態はある意味でチャンス
  • パッシブ運用のメリットは
    1. コストが安いこと
    2. キャッシュポジションが小さいこと
    3. 中身がわかりやすいこと
  • 理論上は、「益利回り(PERの逆数)+利益成長率」と「金利+リスク・プレミアム」を比較して、前者が大きければ株価は割安、後者が大きければ株価は割高
  • 投資で儲けるために、マクロ経済の分析に期待を寄せることは、プロ・アマの別を問わず、ほとんどの場合有効ではない
  • 株価に限らず将来の市場価格の動きは、新しい情報と市場参加者の期待との「差」の部分によって決まる
  • (ファンドの信託報酬等のコストの差は)「確実な(コストの)差」は「あるかどうかわからない(将来の運用結果の)不確実な差」よりも意志決定上のウエイトがはるかに大きい。実際は0.2〜0.3%程度の差ですでに決定的。
  • 税引き後の所得から積み立てることは年金の利用に比べて著しく不利
  • プロとアマは同じ材料による料亭と家庭料理の差
  • システム運用は、運用を始める時点で、いわばまとめて判断しており、運用の途中では、「当初の判断を変えない」という判断をしている。時間とともに増える情報を利用しないのは合理的ではない

本書で好意的に紹介されている文献

条件付き確率は自然頻度で考えよう

条件付き確率は感覚的に判断すると間違うので、直感を信じてはいけない。

数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために

数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために

検診の陽性判定や、裁判でのDNA鑑定で使用される条件付き確率は、誤解というか間違って使用されていることが多いらしい。この本はちょっと粘着な感じで、さらっと読むにはしつこい。この本と同様の内容はhttp://staff.aist.go.jp/t-tsujino/doc/fallacies_euc/fallacies_euc.html#SECTION000122000000000000000によくまとまっている。これで十分だと思う。

確定申告

先々週、先週は確定申告で大変だった。特に大変なところは無いと想定していたが、購入価額1000万までの非課税の特例を分割した株式に対して使おうと思ったが為に、非常に面倒なことになった。

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複利で倍になる年数

embeddedbug2006-03-03

一定の年複利で運用したとき、何年で元本の倍になるかを計算する簡便式がある。
「年率を r(%) とすると、72/r 年で倍になる」
という式だ。まるでマジックのようだ。
簡便計算なので誤差でるのだが、誤差の程度と、どの程度の範囲で実用になるのかを考えてみた。

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知情意

二十一世紀を生きる君たちへ
司馬遼太郎さんは知情意の人だった。

自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。
このため、助け合う、ということが、人間にとって、大きな道徳になっている。
助け合うという気持ちや行動のもとのもとは、いたわりという感情である。
他人の痛みを感じることと言ってもいい。
やさしさと言いかえてもいい。
「いたわり」
「他人の痛みを感じること」
「やさしさ」
みな似たような言葉である。
この三つの言葉は、もともと一つの根から出ているのである。
根といっても、本能ではない。だから、私たちは訓練をしてそれを身につけねばならないのである。
その訓練とは、簡単なことである。例えば、友達がころぶ。ああ痛かったろうな、と感じる気持ちを、そのつど自分の中でつくりあげていきさえすればよい。
この根っこの感情が、自分の中でしっかり根づいていけば、他民族へのいたわりという気持ちもわき出てくる。
君たちさえ、そういう自己をつくっていけば、二十一世紀は人類が仲よしで暮らせる時代になるにちがいない。

年寄りの放言だ。論理的じゃない。年齢を重ね、実績を積み重ね、信頼を得た人が書いてこそのことばだ。
振り返って、自分は何を捨て、何を大切にしているのか。自分というザルに残したいものは何だ。